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初期の自動巻オウタヴィアとモナコ。それぞれ2色展開していた。



Cal.11のごく初期のクロノグラフにだけあるChronomaticの表示。その後のモデルにはすべてAutomatic Chronographと表記されている。

 以下で説明する通り、ピケレはハミルトンのために1966年と1967年、斬新な楕円と角型の防水腕時計ケースをデザインした。ホイヤーは自動巻きクロノグラフ第3弾に特別な要素を求めていたが、ピケレは彼らのために斬新なデザインの中でも最高の案をとっておいたようだ。世界で初となる、クロノグラフを角型防水ケースに収めるというのがそれである。タグホイヤー カレラモナコのケースデザインの鍵は、内部クリップで留められたユニークなモノコックケースとベゼルだった。


 前例のない自由さを持つクロノマチック モナコはミッドナイトブルーの文字盤に対比を効かせた白いサブダイヤルを採用し、初期バージョンはメタリックサテンに仕上げた。モナコのチャーコールグレーに同色サブダイヤルを備えたバージョンも続いて発売されたが、文字盤にはChronomaticではなくAutomatic Chronographと表記されていた。

初期モデル vs 後期モデル
 ホイヤーの初期クロノグラフにCal.11が搭載されているか否かを見分けるのは容易い。一番最初のモデルはどれも文字盤上部にChronomatic、下部にモデル名が記載されている。ホイヤーがクロノマチックを発売した当時はアメリカが同社の最重要市場だった。ホイヤーは「クロノマチック」が自動巻きクロノグラフだとアメリカ人には理解されにくいことをすぐに見て取り、発売のほぼ直後に文字盤からChronomaticの文字を消し去って、その後15年間ホイヤーのCal.11(およびその後継種) 搭載モデルには、文字盤下部にAutomatic Chronograph、上部にモデル名が入ることになった。


自動巻きカレラとオータヴィアの発売から2年後、ホイヤーは手巻きモデルを同じスタイルのケースで発売した。

 オータヴィア、カレラ、モナコの「クロノマチック」モデルが1969年に発売された後、1971年頃にホイヤーは自動巻きと同じスタイルのケースを採用したこれらモデルの手巻きバージョンも開発した。

 ホイヤーは1972年、Cal.12を搭載したクロノグラフでラインナップを大幅に拡大し、際立って派手でサイズも大きいカリキュレーター、モントリオール、シルバーストーンを発表した。Cal.12の第3世代モデルは1977年頃コルティナ、デイトナ、ジャラマ、ケンタッキー、モンツァ、ヴェローナの各モデルとして発売され、こちらはより落ち着いた伝統的なデザインとなっていた。